演者はこれまで20年以上にわたり、遺伝子実験施設・機器分析センター・RI施設などの共同利用機器の管理に携わってきた。本講演の前半では、現代日本の大学における共同利用機器の役割と、その運用・管理に携わる立場ならではの課題について、経験を交えて紹介する。後半では、こうした環境のもとで並行して進めてきたハクサイの遺伝子探索研究について述べる。ハクサイはモデル植物シロイヌナズナと近縁であり、既存知見の応用が期待されたが、その試みは成功し、産地で大きな被害を出していた根こぶ病に対する耐性遺伝子CRa を同定することができた。一方で、圃場作物特有の解析の難しさから、ドローンやAIの導入、DNA精製法の見直しなど多様な試行錯誤も経験しており、これらの取り組みについても紹介する。