第156回 平成20年2月8日
(第266回 細胞工学研究会講演会)
演題 大腸菌定常期初期に起るsE-依存性プログラム細胞死
山田 守(山口大学)
 プログラム細胞死(PCD)は真核生物ではアポトーシスとして知られ、発生途中の不要細胞や不能細胞の除去に重要な役割を果たす。原核生物にもPCDが存在するが、ここでは大腸菌の定常期初期に起るsE-依存性PCDを紹介する。
 大腸菌では定常期初期において90%以上の細胞がコロニー形成不能細胞となり、活性型sEの増加によってそれらの細胞は溶菌へと導かれる。そのような不能細胞はrpoS(sS遺伝子)やkatE変異で増加することから、定常期初期に酸化ストレスなどが増大し、それによって細胞が傷害を受けPCDへと繋がると思われる。最近の解析からsmall RNAが関連することが明らかとなった。これまでの研究結果に基づいてsE-依存性PCDカスケードを推測する。(演者記)
 
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