第409回 令和7年9月26日(金)
(第282回 遺伝子機能解析部門セミナー)
 
演題  CRISPR/Cas9によるエピゲノム編集技術開発と花成制御
賀屋 秀隆 氏(愛媛大学大学院農学研究科)
 
 CRISPR/Cas9技術は、従来の配列特異的変異導入(欠失、挿入、塩基置換変異)に加え、エピゲノム状態を人為的に制御するための技術へと発展している。我々は、現在二本鎖DNA切断活性を失ったnSpCas9にDNAメチル化関連因子(MQ1vやTET1)やヒストン修飾酵素(Suv39Hなど)を融合させたシステムを開発し、標的領域におけるDNAメチル化やヒストンH3メチル化の可逆的操作を可能にし、転写制御の分子基盤の検証を試みている。本セミナーでは、花成制御遺伝子(FT、FWA遺伝子)を標的としたエピゲノム編集により、転写抑制や抑制解除、再抑制といった試みを紹介する。加えて、エピゲノム編集がトランスポゾンの活性化に及ぼす影響を解析し、ゲノム安定性制御におけるエピゲノム因子の役割を検証する。こうしたアプローチを通じて、DNAメチル化・ヒストン修飾と遺伝子発現制御、さらにはトランスポゾン動態との相互作用を結びつける分子機構の理解を目指す最新の基礎研究成果を紹介する。

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