真核生物の多くの遺伝子にはイントロンがあり、エキソンと一体となって転写された後、スプライソソームによって除かれる。ほぼ全てのイントロンの末端の塩基配列は5'側がGTで3'側がAGであるが、ごくわずかにATではじまりACで終わるイントロン(AT–ACイントロン)が存在している。私たちはシロイヌナズナのdrol1変異株において、AT–ACイントロンのスプライシングが特異的に抑制されていることを見つけた。AT–ACイントロンのスプライシングの研究を通して見えてきた、イントロンとエキソンの境界を決めるしくみと、スプライシングの不全がもたらす影響について紹介する。