第406回 令和7年1月31日(金)
(第279回 遺伝子機能解析部門セミナー、令和6年度総合科学研究支援センター公開講演会)
 
演題  分子カプセルの食品利用
吉清 恵介 氏(島根大学生物資源科学部)
 
 オメガ3系脂肪酸の一種である α-リノレン酸 に富むえごま油は、健康に良いと注目される植物油です。しかし、えごま油は常温で液体として存在 し、また酸化されやすいという特徴を持つため、加工食品への添加が容易ではありません。そこで私は「シクロデキストリン」という分子カプセルを利 用することで、えごま油を粉末状へと加工し、その摂取が健康に与える影響を調べています。分子カプセルとは、その分子の中に別の分子を封じ込める 「包接(ほうせつ)」という性質を持つ分子です。シクロデキストリンは、ある土壌細菌の持つ酵素により澱粉を原料として合成される、天然の分子カ プセルです。本セミナーでは、シクロデキストリンとえごま油の包接錯体である「えごま油粉末」の特徴を紹介します。

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