第336回 平成27年9月10日
(第217回 遺伝子機能解析部門セミナー)

演題 「ノロウイルスの感染経路と渋柿によるノロウイルス対策」
   島本 整(広島大学 生物圏科学研究科)
 
 例年,冬期を中心にノロウイルスを原因とする食中毒や感染性胃腸炎が流行しています。厚生労働省の食中毒統計によると,ノロウイルスは現在日本における食中毒の原因の過半数を占めており,大きな社会問題となっています。一方でノロウイルスはエタノールなどの消毒剤に耐性であり,公的に認められている消毒方法は限られています。また,培養方法が確立されていないウイルスであるため研究が困難であるという問題があります。本講演では、ノロウイルスの感染経路と私たちの研究グループが発見した柿抽出物(柿タンニン)の抗ノロウイルス作用および渋柿抽出物を添加した消毒剤の開発について紹介します。さらに,渋柿消毒剤の他のウイルスへの作用や作用メカニズムについても紹介します。(演者記)