第270回 平成20年4月18日
(第159回 遺伝子機能解析分野セミナー)

演題 ニコチン性アセチルコリン受容体に対するネオニコチノイド系殺虫剤の作用機構
   伊原 誠(独立行政法人理化学研究所放射光科学総合研究センター)
 
 ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、「虫」だけではなく「ヒト」を初めとする哺乳動物においても神経伝達を担う重要な神経伝達物質受容体である。殺虫剤であるネオニコチノイド類は、nAChRのなかでも「虫」のnAChRに対して選択的に作用する。このような、リガンド-受容体間相互作用の選択性が生じるメカニズムを理解することが出来れば、「農薬」のみならず「医薬」の開発への重要な知見を与えると考えられる。本講演では、演者が行ってきた電気生理学的、構造生物学的な研究から明らかとなってきたネオニコチノイドとnAChRとの相互作用について紹介します。(演者記)