第166回 平成11年11月22日
(第59回 遺伝子実験施設セミナー)

演題 細胞のサイズ(細胞質量)を決めるメカニズム-分裂酵母は面白い-
   平田 大(広島大学大学院)
 
 生物の基本的特徴の一つが自己複製である。自己複製には、遺伝情報の複製(DNA合成)と細胞全体の複製の二つがあるが、後者は、細胞サイズ(細胞質量)の維持機構を含んでいる。細胞サイズは、分裂のたびに減少することなく一定に保たれることから、細胞サイズの維持機構の存在が示唆されてきたが、その分子機構は、解明されていなかった。この度、分裂酵母において、この機構の一端と考えられる分子機構に到達した。セミナーでは、多細胞系研究のモデル系としての分裂酵母の利点に触れながら、その分子機構について概説する(演者記)。