第96回 平成15年2月7日
(第204回 細胞工学研究会講演会)
演題 放線菌酵素による新規抗腫瘍活性化合物の生産
神崎 浩(岡山大学大学院)
 アミノ酸2分子が縮合した環状ジペプチドは、さまざまな修飾を受けた形で天然に存在する。その修飾の一つに、アミノ酸残基のα、β位に2重結合が導入された、脱水素型環状ジペプチド類があり、さまざまな生理活性を示すことが報告されている。我々の研究グループは、その一種albonoursin (cyclo (ΔPhe-ΔLeu)、 Δとはdehydro-を表す)を生産する放線菌 Streptomyces albulus K0-23株中に、cyclo (Phe-Leu)からalbonoursin への変換を触媒する新規酵素を見いだした。本酵素は、環状ジペプチド類に対して、非常に幅広い基質特異性を示し、相当する脱水素型環状ジペプチド類の生産に利用できることが判明した。そのうち、糸状菌の一種 Aspergillus ustus が生産するphenylahistin (cyclo (Phe-isoprenylΔHis))から酵素合成した新規化合物 dehydrophenylahisitinは数十種類のヒト腫瘍細胞に対して既存薬と同レベルかそれ以上の強力な細胞分裂阻害活性を示したことから、抗ガン剤としての開発が期待されている。(演者記)
 
←戻る


©島根大学 研究・学術情報機構 総合科学研究支援センター 遺伝子機能解析部門 shimane-u.org