第85回 平成14年7月10日
(第193回 細胞工学研究会講演会)
演題 高等植物における生体膜糖脂質の生合成制御とその生理的意義
太田啓之(東京工業大学大学院)
 動物細胞において生体膜を構成する主要な膜脂質がリン脂質であることはよく知られているが、高等植物においては葉緑体膜と他のオルガネラ膜の脂質構成に大きな違いがある。高等植物でも細胞膜やミトコンドリア膜はやはりリン脂質が主要構成脂質であるが、葉緑体膜(チラコイド膜や包膜)の90%は糖脂質からなっている。これらの糖脂質の存在は、葉緑体の光合成機能に重要な意味をもつと考えられている。我々は、この葉緑体膜脂質の50%を占め、地球上でもっとも多量に存在する膜脂質であるといわれるモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)の合成酵素遺伝子を初めて単離し、糖脂質合成の制御機構やその意義について明らかにしてきた。本セミナーでは、これらの研究によって明らかになってきた膜糖脂質合成の制御の詳細や葉緑体を持たない組織での糖脂質合成の意義について、最近の知見を紹介したい。
 
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