第28回 平成9年3月13日
(第133回 細胞工学研究会講演会)
演題 植物の生体防御とキチナーゼ
古賀大三(山口大学農学部)
 最近、病原菌などの感染に対する植物生体防御に酵素キチナーゼが関係していることが分かってきた。このキチナーゼは、N-アセチルグルコサミンのbeta-1,4結合したホモポリマーである多糖のキチンを分解する酵素である。このキチナーゼがなぜ植物において生体防御酵素と言われるのか、また、このキチナーゼ遺伝子を組み込んだ病原菌抵抗性植物の作出が可能なのか、これまで酵素化学屋として行ってきた研究を紹介する。(演者記)

 病気にかからない植物は、キチナーゼを分泌して病原菌から自分を守ります。もし、どの植物にもそのような自己防御機構があれば農薬を使わなくてもすみます。世界一二の穀物生産に寄与している稲にこのキチナーゼ遺伝子を導入して耐病性稲の育種をめざした研究が日本を中心に進められています。最近のホットな、植物バイオについての興味深い話題をご紹介していただきます。
 
←戻る


©島根大学 総合科学研究支援センター 遺伝子機能解析部門 shimane-u.org