第200回 平成25年6月5日
(第316回 細胞工学研究会講演会)
演題 生物多様性を支えるものは何か:複雑性‐安全性問題
舞木昭彦(島根大学生物資源科学部)
 自然界には、たくさんの生き物たちが互いに関係しあいながら共存している。しかし、この事実は、決して当たり前のことではない。なぜなら、数理モデルによる予測では、たくさんの生物種たちがたくさんの種間相互作用によって結ばれているような複雑な生態系は、とても不安定で維持されにくいからである。1972年にRobertMayによって提唱されたこの複雑性‐安定性のパラドクスを解くために、たくさんの生態学者たちが研究をし続けてきた。しかしいまだにその謎は解けないままでいる。本セミナーでは、この問題を解く2つの可能性として、空間構造と種間相互作用の多様性を提案する。最後に、生態系の複雑性がもつ性質について議論したい。
(演者記)
 
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