第191回 平成24年5月29日
第4回 正立型共焦点レーザー蛍光顕微鏡セミナー
第5回 島根大学バイオイメージング研究会講演会
第307回 細胞工学研究会講演会
平成24年5月29日(火)16時〜17時
島根大学生物資源科学部1号館2階203会議室
「蛍光イメージングで解き明かす植物細胞膜切断装置の分子基盤とそのダイナミクス」
藤本 優 氏 (東京大学大学院理学系研究科)
司会:西村 浩二 (島根大・総科研センター・遺伝子)
 真核細胞にとって,エンドサイトーシスは外部からの物質の取り込みや,細胞膜上の脂質やタンパク質の量・配置の調節を行う上で必須の現象である.近年,養分吸収や糖蓄積,病原菌への抵抗性といった植物の育種形質にもエンドサイトーシスが重要な役割を担うことが示されており,その分子基盤の解明に大きな期待が寄せられている.しかしながら,植物におけるエンドサイトーシスはその存在そのものがつい十数年ほど前まで議論の対象であり,現時点で得られている知識は非常に限定的である.また,それらを実行する分子装置という観点から見ると,他の生物種間で共通に保存されている分子のオルソログが植物には存在しないケースも多い.そこで我々は,細胞膜からの小胞形成というエンドサイトーシスのごく初期のステップに焦点を当て,そこで機能する細胞膜切断装置の実体を明らかにするともに,それらがどのように組み立てられ,そして作動するのかといった分子ダイナミクスを解き明かすべく研究を行っている.これまでに我々は,共焦点レーザー顕微鏡や全反射照明蛍光顕微鏡を始めとする蛍光イメージングを用いた解析から,ダイナミン様タンパク質と呼ばれる生体膜の切断や管状化に関与するGTP加水分解タンパク質の一群が,植物においてもエンドサイトーシス小胞形成時の細胞膜切断を担うことを突き止めた.さらに本講演では,従来の光学顕微鏡の限界を上回る分解能を持つとされる超解像顕微鏡を用いた解析から観えてきた,ダイナミン様タンパク質からなる細胞膜切断装置の微細構造やその作動メカニズムについて最新の知見を紹介したい.

参考文献
1) Fujimoto M., Arimura S., Ueda T., Takanashi H., Hayashi Y., Nakano A., and Tsutsumi N. (2010) Proc. Natl. Acad. Sci. USA,. 107: 6094-6099

連絡先:
西村 浩二(島根大学総合科学研究支援センター遺伝子機能解析分野 0852-32-6288)
細胞工学研究会・遺伝子機能解析分野・島根大学バイオイメージング研究会・
中国地方バイオネットワーク連絡会議 事務(32-6109)
 
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