第188回 平成23年11月4日
(第304回 細胞工学研究会講演会)
演題 筋肉の代謝調節機能と低分子量G蛋白質の関係
上田修司(神戸大学院農学研究科動物資源利用化学分野)
 骨格筋は、運動機能に加えて、糖、アミノ酸、脂質などの生体内の恒常性の維持を司る。筋肉を構成する筋繊維は、筋サテライト細胞から派生した多数の筋芽細胞が分化して生じる巨大な多核細胞で、血中のホルモンやサイトカインの濃度によって最適な代謝速度や筋肉量が調節されている。加齢、不活動、低栄養による筋肉量の著しい低下は、代謝機能を減少させ、糖尿病をはじめとした代謝疾患の原因となり得る。低分子量G蛋白質のRhoファミリーに属するRho、Rac、Cdc42、TC10は、細胞内シグナル伝達のON/OFFを司る分子として、発現組織に応じた様々な細胞機能に関与し、骨格筋においても多様な役割を果たしていると考えられている。筋肉の糖代謝は、筋細胞内にグルコースを取り込む糖輸送担体GLUT4の細胞膜移行によって調節されている。GLUT4の細胞膜移行は、インスリン受容体の下流ではたらくPI3キナーゼを介したAktシグナルが重要であることが知られているが、このインスリンシグナルにおけるRhoファミリーの機能については、これまで研究者間で十分なコンセンサスが得られていなかった。
 本発表では、筋肉のGLUT4の細胞膜移行に関わるRhoファミリーについて、我々の行った研究結果を紹介し、最近のこの分野について議論させて頂きたいと思います。
 
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