第177回 平成22年9月29日
(第290回 細胞工学研究会講演会)
演題 緑色植物における比較分子遺伝学のモデル植物ゼニゴケ
河内孝之(京都大学大学院)
 ゲノム情報の解析技術が著しく進展し、様々な生命現象の理解に比較ゲノム解析が取り入れられるようになってきた。ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)は、陸上植物の進化における基部植物である苔類に属し、陸上へ進出した植物の進化的変遷を考えるうえで注目すべき生物種である。我々はゼニゴケを用いた分子遺伝学的研究の基盤技術として、染色体の遺伝地図、アグロバクテリウム形質転換系、プラスチド形質転換系、ESTライブラリーなどを開発した。今回のセミナーでは、半数体で遺伝子重複の少ないゼニゴケを活用した効率的な分子遺伝学研究への展開の現状を、突然変異体や遺伝導入系統を用いた光応答、オーキシン応答、生長相制御の解析例を交えながら紹介する。(演者記)
 
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