第176回 平成22年9月21日
(第289回細胞工学研究会講演会)
演題 昆虫幼若ホルモン制御物質の化学生物学
古田賢次郎(島根大学生物資源科学部)
 昆虫は,幼虫,蛹さらに成虫と,成長に合わせて脱皮や変態を行うことで,その形態を大きく変化させる。昆虫の脱皮や変態は,主に幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エクジステロイド)と呼ばれる二種類の昆虫ホルモンが協調的に作用することで制御されていることが知られている。JHは,幼虫期ではエクジステロイドの作用を抑制し,幼虫形態を維持しようとする働きがある。また,成虫期ではJHは単独で働き,生殖腺の成熟やフェロモン合成の促進のような生殖に関係する生理現象を誘導するなど,昆虫の各成育段階において非常に重要な生理調節機能を果たしている。しかしながら,JHの分子レベルでの作用メカニズムに関しては,受容体が発見されていないなど,未だ不明な点も多い。
 本講演では,JH受容体を探索するために必要なJH拮抗阻害剤の開発を目指して,新規JH制御物質の探索,およびそれらの作用機構の解明を行った成果について紹介する。また,最近のJH研究に関するトピックスについても合わせて紹介したい。(講師記)
 
←戻る


©島根大学 研究・学術情報機構 総合科学研究支援センター 遺伝子機能解析部門 shimane-u.org