第171回 平成22年3月1日
(第284回 細胞工学研究会講演会)
演題 HsfA2 および Nudix hydrolase を介した環境ストレス応答・耐性機構
重岡 成(近畿大学農学部)
 高等植物は移動の自由を持たないために、強光、高温、低温、乾燥、塩や大気汚染など種々の環境ストレスに常に晒されており、それによって生長、分化、発達あるいは生産性に大きな影響がもたらされる。高等植物の環境ストレス応答機構のそのほとんどが遺伝子発現によって制御されており、転写因子は最も重要な制御因子の一つと考えられる。さらに最近、ストレスによって生成される活性酸素種(ROS)と多様な抗酸化物質・抗酸化酵素による細胞内の酸化還元(レドックス)状態の制御機構が種々の細胞応答の遺伝子発現に重要な役割を果たしていることがわかってきた。
 本セミナーでは、1)環境ストレス応答のキーレギュレーターである熱ショック転写因子(HsfA2)の発現制御および生理機能1)、2)酸化ヌクレオチド、ADPリボース、NADH/NADPHなどのヌクレオチド二リン酸類縁体(Nudix: nucleoside diphosphates linked to some moiety X)の細胞内濃度の厳密な調節を介して、細胞内レドックス制御に寄与しているNudix hydrolaseファミリー2)について、我々の最近の研究成果を中心に報告します。(演者記)
 
←戻る


©島根大学 研究・学術情報機構 総合科学研究支援センター 遺伝子機能解析部門 shimane-u.org