第146回 平成18年12月28日
(第254回 細胞工学研究会講演会)
演題 毛包の退縮機構の解明と育毛薬剤開発への応用
相馬 勤(資生堂ライフサイエンス研究センター)
 毛包は成長期、退行期、休止期からなる毛周期を繰り返すが、男性型脱毛症では成長期が短くなり"うぶ毛化"が起こる。従って、成長期から退行期への移行を抑制することは、男性型脱毛症の改善に効果的な手段のひとつと考えられる。まず我々は、退行期においてアポトーシスの実行因子であるカスパーゼ-3が活性化され、毛母などの毛包上皮がアポトーシスにより消失することを明らかにした。次に、TGF-bが成長期から退行期への移行に促進的に作用することを、TGF-bとその下流因子であるリン酸化Smad2の局在解析などにより明らかにした。TGF-b作用を抑制することで、退行期への移行や毛母細胞のアポトーシスが抑制される可能性が考えられた。この知見を基に評価系を構築してスクリーニングを行った結果、アマチャエキスに最も強いTGF-βの作用抑制効果を見出した。アマチャエキスは器官培養系において、退行期への移行を抑制して毛伸長を維持したことから、育毛薬剤としての応用が期待された。(演者記)
 
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