第121回 平成16年12月1日
(第229回 細胞工学研究会講演会)
演題 高等植物の病害抵抗性反応の発現メカニズム〜イネのジテルペン型フィトアレキシン生産と発現制御〜
岡田憲典(東京大学生物生産工学研究センター)
 植物は動物のような免疫系を持たないが、カビ、細菌などの病原菌の感染をエリシター物質の感知といった特異的な機構で認識し、種々の抵抗性反応を発現することで生存を図っている。植物の抵抗性反応の1つとして、低分子の抗菌性化合物であるフィトアレキシンの生産が知られており、特にイネではゲラニルゲラニル2リン酸から生合成されるジテルペン型フィトアレキシンの誘導的な生産が見られる。我々はこれまでに、イネの培養細胞におけるフィトアレキシン生産において、植物ホルモンのジャスモン酸がエリシターと共にシグナル伝達物質として働くことを見いだしている。そこで、ジャスモン酸により発現誘導が起こる遺伝子やフィトアレキシン生合成遺伝子の単離を進め、それらの発現制御機構を明らかにすることで、病原菌の感染から抵抗性反応発現に至るシグナル伝達機構の解明を目指している。セミナーでは、これまでに単離したイネのジテルペン型フィトアレキシン生合成に関与するジテルペン環化酵素遺伝子(OsDTC1, OsDTC2)とジャスモン酸応答性遺伝子(RERJ1, OsOPR1)の機能および発現制御の解析結果を中心にお話しし、イネにおけるジャスモン酸を介した病害抵抗性反応の発現機構について考察したい。(演者記)
 
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