第115回 平成16年9月10日
(第223回 細胞工学研究会講演会)
演題 細胞構築原理の解明を目指して: 胞子の細胞膜はどのようにしてつくられるのか
下田 親(大阪市立大学)
 酵母の胞子形成は減数分裂を伴う配偶子形成過程であるが、見方を変えると二倍体母細胞の中に4個の細胞を作る特異な細胞分裂とみることもできる。通常の細胞分裂と異なるのは細胞質内に新たに細胞膜が形成される点である。分裂酵母の胞子細胞膜(前胞子膜)の構築は、1)スピンドル極体(SPB)を起点とした前胞子膜の形成開始、2)膜小胞との融合による伸長、3)減数分裂とカップリングした核の包み込み、4)開口部の閉鎖による膜コンパートメントの完成、という各ステージを経て進行する。この細胞の新生過程を詳細に解析することにより細胞構築の基本原理に迫れるのではないかと期待しつつ研究を進めている。1968年、Breschらにより胞子形成欠損変異株の単離と遺伝学的な解析が報告された。その後、我々のグループにより10個のspo遺伝子に整理され、すべてがクローニングされた。これらは多彩な機能を持つタンパク質群をコードしており、また各々の突然変異形質から胞子形成過程における働きが推定された。(演者記)
 
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