第99回 平成7年3月9日(木)

演題 いもがふくらむとき ー物質集積機能の遺伝子、細胞レベルの制御ー
   中村 研三 氏(名古屋大学農学部)
 
 自ら動き回ることができない植物は、動物のように成長に合わせて必要な栄養の摂取をコントロールする代わりに、栄養条件の変化に合わせた柔軟な成長戦略をとると考えることができる。植物個体の成長過程で、基本的な生育に余剰となった糖は、体の種々の部位に送られてデンプンその他の形で、一時的に、あるいは長期的に貯蔵される。いわゆるいもがふくらむときに発揮される物質集積機能の遺伝子、細胞レベルの制御機構を、植物の成長過程で見られる物質集積機能の一般的モデルとしてとらえ、種々のモデル植物系を使って解析している我々のアプローチの現状を紹介する。