第50回 平成2年11月28日(水)

演題 生理活性物質合成酵素としてのリポキシゲナー
   山本尚三(徳島大学医学部)

演題 バイオ試薬産業
   大林 晃(宝酒造株式会社中央研究所長)
 
1.栄養成分の多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸に、複数の動物リポキシゲナーゼが作用することにより始まる一連の生合成反応系で、プロスタグランジン、トロンポキサン、ロイコトリエンさらにリポキシンなどと呼ばれる生理活性物質群が合成されます。これらは、生体の循環系、呼吸系、中枢神経系などのほぼ全身の各組織で、生理的、及び病理的作用での中心的な役割を果たしていることが解明されつつあります。このカスケードを薬物や栄養成分などで、制御するためのターゲットとして、リポキシゲナーゼは注目され、これらの酵素を巡る研究が極めて盛んに行われています。
 山本先生は、早くからこの方面の研究に注目され、リポキシゲナーゼの酵素学的研究に始まり、エイコサノイド関連化合物の分析化学的研究や酵素の分子生物学的研究を中心に研究されており、世界の代表的な研究者として多忙な日々を送られておられます。今回この方面の研究成果をわかりやすくお話しいただきます。

2.日本のバイオ研究を支える各種の制限酵素やプラスミドなどの生産に大きく貢献されておられます。