私たちのグループは、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトのサポートにより、野生イネ遺伝資源の保存と配布事業をおこなっている。また、保有する野生イネ遺伝資源のゲノム解読やさまざまな形質情報の取得と公開も進めている。これにより、多くの研究者が野生イネ遺伝資源に興味を持ち遺伝資源が有効利用されることを期待している。
本発表では、国立遺伝学研究所が保有する野生イネ遺伝資源の特徴とともに約1万年のイネ栽培化プロセスに関する幾つかの説を最近のゲノム解析結果を交えて紹介する。また、最近私たちの研究グループで取り組んでいる作物野生祖先種を利用するための新たな方策に関しても紹介する。