今回,同教授が島根大学に来学される機会に,講演会を企画いたしました。是非ご参加ください。
ラマン分光法は非常に優れた非破壊、非侵襲、非観血分光法で生体試料の構成分子の詳細な分子情報を与える。ラマン分光法が医療診断に役立つであろうという考え方は、すでに30年以上前からあった。しかしながら生体試料が発する強い蛍光のために、ラマン分光法の医学への応用は遅々として進まなかった。90年代に入り、近赤外励起のラマン分光法が発展し、蛍光の問題は大方解決した。その後この10数年間の間に、レーザー、検出器、スペクトル解析法、イメージング技術などが大きく発展し、ラマン分光法による医療診断も夢でなくなってきた。最近はbedside spectrometerが試作されたり、Clinical Spectroscopyの国際会議が開催されるようになってきた。本講演ではこれまでのラマン分光法の進歩とこれからの展望について講演する。