外部刺激に対して応答する微生物として、ミドリムシ (Euglena gracilis)を用いている。マイクロ流路の閉チャンバー内にミドリムシのグループを閉じ込め、外部刺激を与えた場合の応答をセルの運動と分布として計測する。計測結果に基づき任意のアルゴリズムを用いてリアルタイム光フィードバックを行う。これによって「生物:物理」フィードバック系が自律的に発展していく。アルゴリズムを工夫するとニューロコンピューティングや擬似フェロモン効果などが実現できている。ミドリムシの光応答は一定ではなく、光順応を示す。セルの運動形態を分類するとその場回転・間欠回転・旋回・不感応と4つのパターンが現れ、その比率が変化していくことがわかった。これには概日性・セル内メタボリズム・光順応がそれぞれ関係しており、柔軟な生存戦略の基礎となっていると想定される。