第156回 平成10年11月10日
(第49回 遺伝子実験施設セミナー)

演題 光合成生物における過酸化水素代謝機構-アスコルビン酸ペルオキシダーゼの分子特性-
   石川孝博(島根大学生物資源科学部)
 
 生体は過酸化水素を含めた活性酸素による酸化的障害に対して巧妙な防御システムを構築している。高等植物及び一部の藻類ではアスコルビン酸-グルタチオンサイクルを利用した過酸化水素消去系を発達させている。アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)はその中心酵素として機能しており、高等植物では、葉緑体、ミクロボディー、細胞質にアイソザイムが存在する。一方藻類ではAPXの分布は限定されており、別にユニークな過酸化水素代謝系を有している。今回、この過酸化水素代謝機構とAPXの分子特性について紹介する。(演者記)