第139回 平成9年6月27日

演題 赤外吸収分光法によるタンパク質の構造解析
   山本達之(島根大学生物資源科学部)
 
 ランダム構造からタンパク質がnativeな構造をいかに形作るのかという問題は生物物理化学の大きな興味の一つである。タンパク質のフォールディング問題に対するアプローチの手段として数多くの分光学的手法が用いられている。振動分光学的手法はその高い時間分解能によりフォールディング初期過程の反応中間体を直接観察する可能性を持った興味深い手法である。本講演では赤外吸収分光法により水溶液中のタンパク質の高次構造解析を行った例を紹介し、今後の研究の可能性について検討する。